紀南抄8月29日付

2018-8-28

 この地に来て初めて大型台風を体験し、恐怖で身がすくんだ。23日夜、仕事帰りにすでに大雨と強い風が吹いていた。横殴りの雨は体験したことはあるが、地面に落ちた雨がもう一度吹き上がって上空を舞う光景は初めてだ。道路には行く手を阻む枝が散乱しており、撤去しようと外に出た、その数十秒の間に身の危険を感じるほどだった。身体は風で持っていかれそうになり、全身ずぶ濡れ、傘など全く役に立たなかった。
 新宮市熊野川町の西敷屋地区では朝早くから住民が自主避難していることから、山手集会所にお邪魔した。住民の約80パーセントが70歳以上。山地にあることから避難訓練を定期的に開くことも難しい。「凄(すご)い風ですね」との問いに、「こんな風かわいいもの」と居合わせた住民が口をそろえた。長年、豪雨や強風、水害に対峙してこられた住民の胆力に、ただただ仰ぎ見るばかり。同地区自主防災会の倉谷修二代表は「台風時の自主避難は自然災害の防災訓練になっている」と語る。ピンチをチャンスに変える逞しさに頭が下がる。

【茂】

社説

  1. editorial-5-300x220

新聞広告ガイド

名刺印刷承り中

ページ上部へ戻る