紀南抄8月23日付

2018-8-22

 少年時代、夢中になったミニ四駆。レース直前に機体を破損し、部品をなくした。ほかの部品を使うも動かない。大会主催者に経緯を伝え見せたが、「この歯車じゃ無理だ」と一蹴。結局、家まで取りに戻る時間や気力もなく棄権した。
 先日、友人から仕事についての相談を受けた。彼の補佐であった優秀な職員2人が退職するのだという。両翼を失う彼は悩み、「いるのが当たり前だったので辛い」と苦言。人は失って初めて、その重要性に気付く。しかし、それでは遅いことを私は何度も見て、体験してきた。彼は「早い段階で気付けていたら」と後悔していた。
 すでにその場に存在する歯車においては、必要のないものなどは存在しない。歯車は歯車同士が噛み合うことでさらに別の歯車を動かし、大きな力を生むのだから。彼が言う「早い段階で気付くこと」は大切だ。歯車に潤滑油を注すなどのメンテナンスが行えるからである。それを怠り、動かし続けると機械なら故障の原因になりかねない。その考えは人や社会、環境にも通じることであると改めて実感した。

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社説

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