紀南抄8月14日付

2018-8-13

 毎年7月14日に行われる「那智の扇祭り」。この祭りでは、社前や滝本での神事により新しい力を得た神々に、その年の五穀豊穣を祈るという農作祈願が特に重要視されており、要所で農耕にまつわる芸能が奉納される。その一つに「那智の田楽」がある。
 『乱声(らんじょう)』にはじまり、『鋸歯(のこぎりば)』『本座駒引(ほんざこまひき)』『新座水車』『大足』といった田楽本曲が21節と『シテテンの舞』で構成されており、これらは江戸時代の古記録とほぼ同じだという。「那智の田楽」は昭和51年に国の重要無形民俗文化財に指定され、平成24年に和歌山県初となるユネスコ無形文化遺産に登録された。
 数百年前に誕生した伝統芸能も、決して途切れず継承され続けてきたわけではない。明治の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)・神仏分離による大改編により社僧が還俗・離散すると田楽の伝承も一旦途絶えた。しかし、その後、復興の機運が高まり、田楽を伝える古老らの指導と記録作業によって大正10(1921)年、約50年ぶりに再興された。

【も】

社説

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