紀南抄8月10日付

2017-8-9

 「居着き(居付き)はいけない」と取り組んでいた武道やスポーツで注意された覚えがある。解釈はさまざまだが武道等では、流水のように意識や体の動きなどを留めないことが理想とされる。居着きはその逆で、自分の重心や弱点を相手に知らせてしまうことも含むらしい。攻撃後、思考が途切れたり、動きが止まると即座に反撃される。達人になると先手は打たず、居着きを狙って攻めるという。
 先日、熊野那智大社において、紀南地域で活躍する舞踊家3人が大社創建1700年を記念し踊りの奉納を行った。踊りは「日本舞踊」「モダンバレエ」「フラダンス」と全く異なるジャンル。奉納が始まり、我が目を疑った。
 3人の動きには居着きが全くない。重心は絶えず移動し、緩急ある一つずつの動作や間が華麗で終始、圧倒された。私は踊りに詳しくないが、それが素晴らしい芸術であること、身体操作が一流であることは理解できた。
 奉納後、男成洋三宮司が「芸能の道は一生、勉強と聞く。皆さまにはさらなる高みを目指してご精進いただきたい」と述べた。すでに道を極めた3人がそこに留まることなく、心新たに高みを目指そうと決意する姿は、舞踊の伝記や映画を鑑賞しているようで胸が熱くなった。

【前】

社説

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