紀南抄7月31日付

2018-7-30

 「命短し恋せよ乙女」―雪が降る暗闇の公園でブランコに乗る志村喬演じる市役所職員の渡邊が歌を口ずさむ黒澤明監督の映画「生きる」での一場面。胃がんと宣告され、絶望の淵にあった渡邊は住民の希望である公園を作ることを決意。余命を燃やし、多くの困難や脅しにも屈せず、公園はついに完成する。だが、人々でにぎわう公園を見ることなく、その命は尽きてしまう。生きることや行動について考えさせられた名作だ。
 生きている間になにができるのかを常に考える。冒頭の「ゴンドラの唄」では若い時間の短さを表しているが、一生もまた短い。命=時間。誕生した日から命は減り続けるが人は悩み、葛藤する。時間を無駄にすることも多い。
 だからこそ、「時間(命)を費やす仕事や行動で、誰かの喜びや元気につながれば」とおこがましくも願っている。
 「新聞は読者に正確な情報を伝えるための媒体」と教わった。その通りだ。しかし、魂は込めたい。取材対象者たちの生きた理念や活動が伝わるような記事を作ることで前述の願い通りになれば、幸いである。

【前】

社説

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