紀南抄4月5日付

2016-4-4

 最近驚いた3つの出来事が、ともに国籍と言語に関することだったので、備忘的に記してみたい。
 1つ目は、突発的に本尊が見たくなり訪問した奈良の唐招提寺でのこと。門前で拝観料を支払う際、やや緊張していたからか、「大人1枚」というのを声を出さずに人差し指を立てるゼスチャーだけで示してしまった。すると係員が「中国語?日本語?」と手渡す冊子の言語を聞いてきた。
 2つ目は、京都四条の老舗のスタンド酒場で酒を飲んでいたとき。入店してきた30代半ばほどの男性2人組に、店員が「イングリッシュ?」とメニューの言語を尋ねた。2人は苦笑いで「いや日本人です」と返したが、こんな光景は数年前のこの店では全く見られなかった。
 最後は、鬼ケ城を友人らと訪れたとき。中国人の若い団体の観光客に友人の一人が「どこからきたの?留学生?」などと英語で話し掛けた。しかしうまく通じていないのか、困ったような顔をしている。そこでもう一人の友人が同じ内容を中国語で話し掛けた。するとたちまち顔がほころび、一気呵成(かせい)に話し出した。
 いま日本中で先の2つのケースのような観光客対策が進められている。ただより質の高いもてなしの準備とは、最後のケースのような対応力を持つということなのかもしれない。

【K】

社説

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