紀南抄2月11日付

2017-2-10

 昨年4月、和歌山県の熊野灘における捕鯨文化に関するストーリー「鯨とともに生きる」が日本遺産に認定されたのを受け、旅行関係事業者と報道関係者を対象に、熊野地域の魅力を知ってもらうことを目的としたシンポジウムが先日、東京で開かれた▼講演したタレントのダニエル・カールさんは「もっと古里の素晴らしさを自覚して自慢してほしい」と訴えた。謙遜するのはある意味日本人らしさではあるかもしれないが、マイナスに働く要素の方が大きいというのだ▼自覚して謙遜しているのであればまだいいが、自覚していない、あるいは自覚しようとしないという人が多いのも現状。せっかく日本遺産という冠がついても、住民の意識が向かないことには観光振興や活性化につなげるのは容易ではない▼一方、太地町は30年間の計画で町全体を鯨のミュージアムにしたいという構想の中、短期・中期・長期の計画を定めて現在13年目に突入。町の玄関口の入り江に100頭ほどの鯨類を飼育・研究して研究者や学生らが訪れる町にする。また、訪問者のために公衆トイレの美化や、駅へのエレベーター設置も実施した。三軒町長は「辺地であっても理想の町ができる喜びを感じている」と話す。日本遺産認定を契機にさらに充実していくだろう。

【F】

社説

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