紀南抄12月9日付

2018-12-8

 30数年前に初めてこの地を訪れた時に、「めはり寿司(ずし)」の存在を知った。新宮出身の文豪・佐藤春夫も「故郷のうまいものは、1にめはり、2にさんま」と言ったほど。元々は、山深いこの地域で働く人々の手早く食べられる食事・弁当として作られるようになったという元祖ファスト・フード。握り飯を高菜で包んだだけという、素朴な味わいとシンプルさから、地元の人のみならず、訪れた観光客にも人気の郷土料理。各家庭での漬け方や味わい方のバリエーションも豊富。
 その「めはり寿司」に無くてはならない高菜がピンチにさらされている。高齢化や後継者不足などによる生産農家の減少で、地元産高菜の供給が不足し、待ったなしの状態。実際に収穫のお手伝いをしたが、1時間も経つと腰が痛くなり、フラフラになってしまった。高菜は短期日のサイクルで冬の間中、収穫が続く。広大な畑では大変な重労働である。現在、奮闘しておられる生産農家さんも勇退の時は来る。家庭菜園程度の小規模生産でもいいと、関係者は生産者を募っている。

【茂】

社説

  1. editorial-5-300x220

新聞広告ガイド

名刺印刷承り中

ページ上部へ戻る