紀南抄12月8日付

2017-12-7

 先日、紀宝町の見松寺で仏前結婚式があった。同寺では34年ぶりで、当方も見るのは初めて。厳かな雰囲気の中、新郎新婦の2人が御仏に将来の固い契りを誓うとともに、本尊と両家先祖に対し結婚の報告となる般若心経を参列者全員で唱えた。
 結婚式と言えば神前や教会が一般的で、仏前は慶弔の「弔」のイメージが強い。しかし、結婚式のもつ本質や意義からすれば、仏前結婚式は特殊なものではない。結縁する2人は、よほど縁豊かな人か、あるいは結婚する本人たちが真に仏教信仰を持っている証拠と言える。
 同寺の一村正剛住職によると、結婚の話がまとまることを「縁談が整う」というが、これは仏教の因縁に由来する。仏前結婚式では、こうした仏教的視点、事実をありのままに見つめる大円鏡智を大切にしているが、その事実が幾重にも積み重なって因縁が熟してここにめでたく結ばれた、という立場になって行われる儀式だ。
 結婚は人生の大きな節目で、昔から、当人はもとより家と家を結ぶ儀式として格式高く行われてきた。ところが最近では、式を簡略化あるいはなくしてその分の費用を旅行などに充てる傾向が見られる。どのような形式であっても、節目の式を挙げる重要性を再認識する機会になった。

【F】

社説

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