紀南抄10月9日付

2016-10-8

 11月の米国大統領選挙では、初の女性大統領誕生の行方に注目が集まっている。世界ではすでにドイツ、韓国、イギリスなど多くの国で国家元首に女性が選出された先例があり、今後その流れはさらに拡大していくだろう。日本では、最近初の女性都知事が誕生したが、この国では「伝統」とされる領域に女人禁制が布かれる場面が多く、今もその禁は決して緩くない。
 しかし、当地方で盛んな伝統芸能である獅子舞では、いま女性の存在が貴重な役割を果たしつつある。県の無形文化財である「高芝の獅子舞」では、平成19年に初めて女性の天狗役が抜擢された。今年は2代目女天狗の西春帆さんが5度目の出演で見事な有終の美を飾った。浦神の勇義社では、133年の歴史で初の女性社員となった谷口倖さんが今年天狗役としてデビューするほか、楽隊では各地で女性が活躍している。
 古代日本では推古に始まり孝謙まで、約150年間で実に6人の女帝が出た。彼女らは飛鳥から奈良時代へかけての混迷の時代を牽引するとともに、皇極は初の譲位を、持統は初の火葬を行うなど、天皇の歴史の画期を生み出してきた。
 この地の「小さな女王」の活躍により、猛々しい獅子舞の世界にしなやかで美しい新境地が花開くのを期待したい。

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