紀南抄10月21日付

2016-10-20

 災害発生時に近所同士の助け合いの必要性が指摘されている。阪神淡路大震災では、建物や家具の下敷きなどにより身動きが取れなかった人たちが誰に救助されたのかのデータでは、約9割が近所の人など住民によるものだった。大規模災害時、行政や消防など公的機関からの救助はまず来ないぐらいに考えておいた方がよい。
 しかし、いざというときに自分が誰かを助けられる状態だったとしても、隣近所に誰が住んでいるのか分からなければ、何もすることができないだろう。普段からコミュニケーションをとっていれば、有事の際も必ず役に立つ。
 紀宝町の鮒田区で先日、防災クイズとグラウンドゴルフの催しが行われ、住民が交流した。同区は以前から住民の寄合を通じて親睦を深めるとともに、どこに誰が住んでいるのか、家族構成までの把握に努めている。平成23年9月の紀伊半島大水害時には避難時の声かけや誘導により、地区の多くの家屋が浸水被害を受ける中、犠牲者を出さずに済んだ。
 各地区の自主防災組織では、訓練や研修会の開催などで防災意識を高めようとしているが、催しの中にレクリエーション的な要素を含めることで子どもや若い世代の参加を促せるのではないか。近所の関係を構築する第一歩になる。

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