紀南抄10月13日付

2016-10-12

 紀南地方最大規模の秋まつりと言われる、熊野速玉大社の例大祭が15日と16日の2日間、同大社や新宮市内街路、熊野川で行われる。祭典に向けた準備が大詰めを迎え、関係者は気持ちを引き締めている。
 例大祭は今年3月に「新宮の速玉祭」として、国の重要無形民俗文化財に“格上げ”された。加えて今年は土・日曜の開催、天候の崩れも心配なさそうな状況から、見物客は例年以上になりそうだ。重文への登録に際しては数年間にわたって準備を重ねてきた。数年前に調査のため祭りに同行していた関係者が話していた言葉を思い出した。「歴史と伝統あるお祭りに参加できる新宮の方がうらやましい」。
 おそらく、神輿の担ぎ手や御船祭の早船競漕のことを指した言葉だろう。しかし一方で、近年は人員確保のために毎年苦労すると話す関係者もいる。特に神輿の担ぎ手を見ると、かつては高校生らの若者の参加が目立ったが、学校行事と祭典日程が重なり参加できないことが増えた。何とか改善できないものかと嘆く声も聞こえる。
 国が指定する価値あるものをもっと教育現場で意識する必要がある。机上だけの学びで伝統を継承することは難しい。実際に参加したり、見物したりしてこそ、祭りの意義や魅力に触れることができる。

【F】

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