紀南抄1月12日付

2018-1-11

 「餅まき(餅ほり)」は例大祭や各イベントの際にも行われ、多くの住民が参加し、にぎわう人気の行事である。老若男女が楽しみ熱中し、用意した袋などに拾った餅を素早く入れる。「こっち」「ここに投げて」など拾い手がまき手に声を掛ける光景は毎回、心が温められる。
 この餅まきだが、他府県出身の友人に聞くと珍しいというのだ。元来、餅まきは建物の新築の際に上棟式(棟上げ、建前ともいう)や神社の祭事で行われており、その回数は全国でも和歌山県が多く、さまざまなイベントや行事の締めくくりに実施されているという。こちらで生まれ育った者とすれば、イベント=餅まきが当たり前の感覚になってしまうが…。
 「本当に楽しい。これだけはやめられない」。先日、新宮市佐野の天御中主神社の例大祭での餅まきに参加していた80代女性の一言。この時期は餅まきが多く、友人たちと各所を回り、餅を拾うのが楽しみだと笑顔で話していた。
 地域間のコミュニティーが希薄になる現在。田舎といえども、近所住民の顔を知らない場合も多いため、餅まきのような行事に参加することで互いの認識やつながりが深まるのではないか。災害発生時にも「粘り」ある地域力がものをいうに違いない。

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社説

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