考える、土砂災害
歴史学び備えと対策へ
県が主催し地域講演会

多数が来場し講演に耳を傾けた 那智勝浦町体育文化会館で16日、和歌山県が主催する地域講演会「考える、土砂災害」が行われ、3人の専門家が研究成果を発表。住民や行政関係者などが大勢詰めかけ土砂災害の歴史と対策について学んだ。
 この講演会は、昨年4月に開設した和歌山県土砂災害啓発センターの活動の一環として、「歴史から学び改めて土砂災害について考える」をテーマに、県が主催した企画の第1回。地域住民が土砂災害についての知識を深め、安全迅速な避難につなげることを目指して今後は県内各地で開催していく。
 講演では、一般財団法人砂防フロンティア整備推進機構の井上公夫さんが「歴史的大規模土砂災害地を歩く」と題して、日本における土砂災害の歴史を振り返りながら、当地方での事例の特徴などを解説した。
 井上さんは新宮・那智勝浦町付近の土砂災害の歴史を振り返り、地震や豪雨によって、激甚な土砂災害や洪水が繰り返し発生している地域特性があると指摘。平成23年の台風12号による災害は、昭和34年の伊勢湾台風以来、約50年ぶりの大規模災害となったことなどをデータで示した。
 今後発生が予想される大規模災害が、1000年に一度レベルの「破局災害」となる危険性についても言及。「東南海・南海地震は、関東から九州まで大きな被害が出る。そうなると紀伊半島は誰も助けにきてくれない。自分たちで身を守り、基本的には自分で立ち直らなければいけない」と警鐘を鳴らした。
 国土交通省災害対策技術センターの田中健貴さんと和歌山県土砂災害啓発センターの坂口武弘所長による発表では、それぞれ台風12号による土砂災害の特徴を、研究成果をもとに説明。
 田中さんは、災害発生直前にその切迫性を把握し、伝達する国交省の取り組みについて紹介。観測機器や人工衛星を活用したデータ解析などを通じ、正確に前兆現象を捉え、いかにして早期避難を促す情報提供を行っていくかという課題を共有した。
 国や県、地域による防災教育を通じ、自主避難の必要性への理解を深める取り組みについても紹介し、「土砂災害による被害を少しでも小さくできる社会に向け、ともに協力をしていきたい」と呼び掛けた。

講演する井上さん

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