木ノ川でナマズ養殖
新宮港埠頭が計画
詳細発表は秋ごろか
市議会で報告

養殖計画地である木ノ川地区 新宮市三輪崎の新宮港埠頭株式会社が、同市木ノ川で、有路昌彦・近畿大学教授らが開発した「ウナギ味のナマズ」の養殖を計画していることが分かった。田んぼを農地転用して、1・44ヘクタール(約4356坪)の敷地での実施を目指す。計画詳細の発表はおそらく秋ごろになるという。
 新宮市野田の福祉センターで14日に開会した、新宮市議会(榎本鉄也議長、議員17人)6月定例会で市から報告があった。新宮港埠頭は昭和53年9月の設立に際し、新宮市が資本金の2分の1の500万円を出資した、同港の荷役を受け持つ第三セクター。経営は順調で、平成27年度は1億2499万3578円の利益を上げている。
 「ウナギ味のナマズ」は、ヨーロッパウナギの輸入規制、ニホンウナギ稚魚の国内漁獲量の激減、これらによる価格高騰などを背景に開発。エサを見直してくさみを失くし、脂のりを高めて味を近づけた。1月に東京都でテスト販売を行ったほか、6月からは格安航空会社ピーチ・アビエーションの機内食として提供されることもあり、注目を集めている。
 さらに、開発者の有路教授は新宮市三輪崎に本社工場を設立した、輸出を目指す養殖ブリ加工会社である株式会社食縁の代表取締役でもある。同社は新宮市が支援、新宮港埠頭も出資者に名を連ねるなど、結びつきが深い。食縁工場で養殖ナマズの加工も可能と、好条件がそろう。
 敷地確保には二段階の障壁がある。①市長が許可、県知事の同意が必要な農振除外申請②県知事の許可が必要な農地転用許可申請︱で、現在は地権者である農地所有者と新宮港埠頭の連名で、農振除外申請が市に提出されている。農業委員会など関連団体の意見具申を受けて、県知事に事前協議を打診し、同意を受けて市長許可手続きに進む。完了まで3〜4か月かかる。事業詳細報告は農地転用手続きと同時期を想定する。農地転用許可申請は円滑なら約2か月ですむが、1年ほどかかるケースもあるという。

■疑問示す意見も

 計画に対し、一部議員は懐疑的な立場を見せた。大石元則議員は「米作りと競合するのでは」と質問。山本茂博企業立地推進課長は「実施には耕作者の同意が必要。決裂になれば違う方向になる」と答えた。
 田花操議員は反対とは言わないと前置きしながらも、多角化戦略に対して「新宮港埠頭の本来の姿ではないのでは」と問うた。亀井寿一郎副市長は「設立当初の目的は荷役だが、40年近くたち、利益を生める会社になった。地元貢献や雇用拡大ということで、他事業展開をしていく。収益だけが目的ではない」と応じた。
 上田勝之議員は新宮港埠頭が、市が資本金の2分の1を出資した会社であること、市職員が取締役を務めていることに言及し、「普通の民間会社ではない。しっかりと事業計画を議会に示して議論すべき」と訴えた。山本企業立地推進課長は「示せるものは示していきたい」と述べた。
 並河哲次議員は、市は新宮港埠頭が進める事業計画の把握が不十分であること、市が半分出資したのに新宮港埠頭の情報量が少ないことを問題視。「他の財団法人と同じく、情報公開の要綱に入れるべきでは」と追及した。神戸市の第三セクターの情報公開例も紹介した。田岡実千年市長は「勉強してみたい」と語った。

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