新たな地域産業に期待

 現在、日本をはじめ世界の主要なエネルギー源である石油・石炭などの化石燃料は限りある資源。これに代わるものとして、太陽光や太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱などのエネルギーは一度利用しても資源が枯渇しない再生可能エネルギーとして知られている。
 政府も石油や石炭を燃料とした発電、原子力発電に代わるクリーンなエネルギーとして導入・普及を推し進めている。これらの再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず、国内で生産できることから、エネルギー安全保障にも適合した有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギー源となる。また、電力の供給は、2016年4月以降、ライフスタイルや価値観に合わせ、電気の小売業が自由化され、消費者が電気の売り手やサービスを自由に選べるようになった。
 再生可能エネルギーの中のひとつ木質バイオマス発電に注目したい。バイオマスとは英語でbio(バイオ)は生物、mass(マス)は量という意味で、バイオマスを直訳すれば生物量ということになるが、一般的には植物や動物のエネルギー資源のことをバイオマスと呼び、化石燃料をのぞく再生可能な生物由来の有機性資源のうち、間伐材・製材工場などから発生する樹皮・住宅解体材・街路樹剪定材などを燃料として発電する方法を「木質バイオマス発電」という。
 日本は森林の占める割合が国土の半分以上にあたる65パーセント弱。地球温暖化対策、循環型社会の構築、農山漁村の活性化、防災対策を含む地域環境の改善にも深く関わるもので、今現在、全国で大小は別として100か所以上もの発電所が稼働。当地方でも複数の発電所が稼働または建設に向けて取り組みが進められている。新宮市は昨年9月、株式会社エフオン新宮と新宮港の土地売買契約を締結した。2021年中の操業開始を予定している。
 この木質バイオマス発電事業が実現することで、働く場の確保、拡大が図れ、地域の林業をはじめ新宮港の海運利用や陸運など、副次的には魚の養殖や建物の暖房に熱利用も可能で経済的波及効果も期待できる。市は地域産業の一つとして捉え、経済効果が生まれやすくなる環境整備に努めてもらいたい。
(平成31年3月23日付 紀南新聞掲載)editorial-5-300x220

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