巨額の事業 十分な説明を

 事業費概算63億円を投入して建設が進められようとしている新宮市文化複合施設。新宮市の平成30年度一般会計予算は約175億円(昨年9月末現在)で、年間予算の3分の1程度を注ぎ込むビッグプロジェクトだ。
 市民の税金を一円も無駄にすることなく、市政運営を行うのが市当局の務めであるのは言うまでもない。このため、市はさまざまな事業を行うにあたって、少しでも自分たちの懐が痛まないよう、国や県に支援をお願いする。有利な補助金(交付金・助成金)を得られるよう、担当職員がしっかりと勉強し、申請を行うことが大切になってくる。
 新宮市は今回の文化複合施設の建設で事業費の約半分を国の交付金と県の補助金でまかなうことにしているが、このうち国の交付金が当初予定の25億円から減額されることが昨年末に決定した。実は昨年6月の時点で、市が示す設計案が国の交付金の適用条件である「複合施設」に当てはまらないとして、現状のままでは減額となるという通達がきていた。先日開かれた議員説明会でこのことが明らかになり、議会や市民に報告がなかったとして、一部議員から市当局への批判が噴出。
 市当局は6月以降、国との協議を続ける中で減額幅を3000万円に抑えたと説明し、理解を求めたが、特別委員会に報告をしなかったことが大きな問題。多くの市民が文化複合施設の早期建設を願っているのは、昨年末から行われた署名活動の様子を見ても明らか。その一方で、63億円という数字だけが先行し、実際に市の負担額がいくらになるのか、国からどれだけの交付金が受けられるのか、はっきりしないまま進んできた。
 市当局は4日に臨時議会を開き、建設関係の予算を提案することにしているが、議会にはもちろん、市民にも分かりやすい説明を求めたい。説明を受ける側の立場となり、理解してもらいたいという意識をもって臨むことが必要だろう。市当局は今回の件を真摯(しんし)に受け止め、完成後のランニングコスト(経常経費)や使用料などについても具体案を早く示して、巨額を投じた分の費用対効果を市民が実感できるよう努力してもらいたい。
(平成31年2月2日付 紀南新聞掲載)
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