熊野本宮語り部の会初歩き
世界遺産登録15周年節目の年

発心門王子で 熊野古道を語る松本さん(右端)

発心門王子で
熊野古道を語る松本さん(右端)

 「紀伊山地の霊場と参詣道」が7月に世界遺産登録15周年を迎える今年、田辺市本宮町の熊野本宮語り部の会は6日、日曜祝日限定「朝いち語り部」の初歩きを行った。熊野古道の発心門王子から熊野本宮大社まで、この日は語り部約20年のベテラン・松本誠子さんが、北海道からの旅人など4人の参加者を案内した。
 同会は南紀熊野体験博を翌年に控えた平成10年、地元有志が「本宮町語り部の会」として結成。近隣語り部との兼ね合いや、若い人に入ってもらうため、案内を有料とした。平成16年に熊野古道が世界遺産登録された際、「熊野本宮語り部の会」と改称。現在の体制になり実働会員は地元民や移住者など28人(40〜80代)、市内・新宮市・那智勝浦町・和歌山市などに在住。古道の歴史を伝え毎月研修会を重ね、熊野本宮大社周辺から町外のコースまで幅広く案内し、メンバーも若返りつつある。
 坂本勲生会長(90)は「若い人も入って今のように研究を深め、皆さんにより良い案内をできる姿に変わっていった。世界遺産登録10年目が、一番多くお客さんを案内できた。熊野本宮観光協会の力で事務を担ってもらい、語り部と相乗効果で助け合えた面もあると思う。今はそれに及ばずとも近い案内ができ、団体客が減り、個人や家族の案内が増えたのが大きな変化。家族連れは泊まりがけも多く、本当の意味での案内がゆっくりできるようになった。リピーターになって、お礼状もいただく。近年は外国人観光客が非常に増え、市内英語ガイドの団体が案内をしている」と話した。
 また、今後の展望を「会を維持するには、もっとお客さんを呼び込む手だてを考える必要がある。桜の季節に実施する桜ウオークの他、本宮から万歳(ばんぜ)峠を越えて熊野川へいく道など新しいコースを考え、お客さんからの要望に応える努力をしていきたい」と語った。
 松本さんは「お客さんに楽しかったと言われると、仕事をしたなと思う。年齢と共に周りがやめていくのは寂しいけど、語り部をすると充実感がある。今は観光の町の本宮も、昭和30年代まで熊野川に勢いがあって筏が流れて、林業の町でプロペラ船も走っていた。歴史だけだとありきたりになるけど、自分の生まれ育って体験した地元のことを伝えていけるのがいい。これから若い子もどんどん育っていってほしい」と話していた。

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