天空マラソン 見直しては

 那智勝浦新宮道路を舞台に毎年開催されている「新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン大会」。紀伊半島大水害からの復興を記念し、2012年に始まった。第7回大会は11月18日に2078人が参加して行われた。
 いったん立ち止まって見直してみてはどうか。主催は実行委員会だが、大会長は新宮市長、副会長は那智勝浦町長。今回の予算を見ると、新宮市が600万円、那智勝浦町が200万円、地元企業が100万円を支出。これに参加者から集まる費用(ハーフで1人4500円)を加えたもので運営している。結構な金額をかけたイベントだ。
 参加者数の目標(定員)は3000人に設定。過去に3000人を超えたのは、今年を含む7回のうち2回のみ。今年も募集期間を延長して粘ったが、目標には程遠かった。事務局を務める市教委によると、今年は参加者を2500人と想定し予算編成していた。見込みより少ないことで支出の抑制にかかるものの限界はある。決算で収支はどうなるのか。
 最も大きな支出は、参加申し込みの集計や当日のタイム計測、ポスター・パンフレット準備など運営全般を委託している業者への支払い。約600万円かかる。大都市にある業者が継続して請け負っている。全国各地のマラソン大会等の運営で実績のある業者にもかかわらず、目標数に達しないのはなぜか。
 復興記念という最初の理念を考えたとき、参加者の宿泊などで地元に集まったお金を大都市に流してしまうのはどうか。地元が潤うためのイベントであることが本質としてあるべき。そのためには身の丈にあった大会でも構わない。珍しいコース形態も1回走れば満足というランナーもいる。参加者が伸び悩んでいることがそれを表している。
 住民からの税金を例年通りで計上するのではなく、もっと有益な形で使ってもらいたい。子育て支援を手厚くすることで人口減少に少しでも歯止めがかかり、高齢者が憩える場所を提供することで健康寿命が伸びる。来年4月には市議会議員選挙が控える。チェック機関である議会、そして議員を志す一人一人が市民の"血税"の行方を注視し、当局に市民の声を届けてもらいたい。
(平成30年12月1日付 紀南新聞掲載)

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