市民のため 本来の議会に

 議会は一体誰のものなのか。新宮市議会9月定例会での「セクハラ騒動」。当該議員への処遇について協議する懲罰特別委員会が設置された。過去にない初めての委員会。地方自治法で懲罰の規定として、①公開の議場における戒告②公開の議場における陳謝③一定期間の出席停止④除名−があるが、果たして公正に身内を"裁く"ことができるのか。有識者らによる外部組織を立ち上げて審議を委ねることはできなかったのか。
 ことの発端は、議員の一般質問で、特定の議員がセクハラを受けたことを何度も取り上げ、大勢の前でセクハラ内容、被害者、加害者が分かるようにすることは、セカンドハラスメントにあたり、かえってハラスメントを受けた人が周囲から逆にバッシングを受けたり、協力を得られなかったりする。それを公に暴露すること自体、侮辱であり、それ自体がセクハラであり、嫌がらせであるとして、議長宛てにこの議員の処分要求書が出された。また、その後、一般質問でこのセクハラを取り上げ、何度も発言した議員からも、処分要求書が出された。
 昭和60年に男女雇用機会均等法が成立。以降、30年ほどの間に女性活躍推進法をはじめ、主に女性の就労環境を改善するさまざまな法律が整備された。背景には女性の社会進出がある。民間企業では女性管理職が珍しくないが、議会に占める女性の割合は先進国の中で少ない。男女構成比についてどれが良いというわけではないが、議員は社会の流れに遅れをとらないよう、セクハラに対する意識を高める必要がある。
 東牟婁郡町村議会議長会が先月、県男女共同参画センターから講師を招き、「職場におけるセクハラについて」をテーマに研修会を開催。関係する町村議会から50人あまりの議員が出席し、知識を深めた。新宮市議会でも、今回の騒動が起きた時点で議員個人の問題と捉えるのではなく、議会全体として研修会を開くべきだった。まだであれば今からでも開き、同じようなことが起きないようにしてもらいたい。併せて、懲罰委員会での結論を急ぎ、市民のための本来の議会に戻すこと。市民の代表の議員一人一人が知識を深め、社会の模範となるよう、務めを果たしてもらいたい。
(平成30年11月10日付 紀南新聞掲載)
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