濁水の早期改善求める
熊野川の総合的な治水対策協議会
初の現地視察も

濁水対策3 田辺市本宮町の本宮行政局で18日、第11回「熊野川の総合的な治水対策協議会」が開かれた。同協議会は熊野川の河川管理者である近畿地方整備局、三重・奈良・和歌山の3県、流域11市町村、ダム管理者の電源開発西日本支店などで構成。平成23年の台風12号に伴い熊野川流域で発生した未曾有の被害をふまえ、平成24年に設立された。
 この日は堆積土砂の対応状況、治山・砂防の取り組み、河道閉塞の対応状況、ダムの運用改善と情報提供の状況、濁水長期化低減対策などについて報告。
 熊野川の濁水長期化軽減対策として電源開発は昨年、二津野ダム・風屋ダムでの濁水防止フェンスの設置・運用、大規模出水時の濁水早期排出期間および清水貯留期間の延長、十津川第二発電所での4分の1出力運転などを実施。今後、風屋ダムの取水設備改造工事にかかる。
 近畿地方整備局河川部は、対策により高濁度日数が減少しているデータを示した。濁度20以上を高濁度とする。下流域の南桧杖で濁度20以上の日数は、平成22年に21日、台風12号災害後、24年が132日、25年が98日、26年が60日、27年が55日。いまだ災害前の数値に戻っていない。
 質疑応答で新宮市の田岡実千年市長は「風屋ダムで1年前に濁水防止フェンスが設置されたが、今も依然として見た目にも改善したとは言い難く、下流域に住む者にとっては一刻も早い解消を望む。最近外国人観光客が増える中、世界遺産の川として非常に恥ずかしい思いもしている」と述べた。また、濁度はこの1年で行楽シーズンの7月と9月が前年より悪い結果であると指摘し、要望を挙げた。
▽濁水対策の先進事例を充分調査し、効果が見込まれるものに取り組む(例:宮崎県の一ツ瀬ダム、杉安ダムでの取り組み)。
▽下流域では十津川第二発電所(椋呂)からの放流水による濁りが常態化した。濁度が40度以上計測される場合は発電停止するなど運用の見直しを。
▽池原・風屋ダムで空き容量を確保しピーク時の放流量を低減させる。

 同協議会の黒川純一良会長は昨年、熊野川の水利権更新を許可した際、電源開発に地元自治体への丁寧な説明を願ったという。電源開発西日本支店の鎌田光支店長は「しっかりと対応していきたいと思います」と述べた。また、紀宝町の西田健町長は、濁度の数字だけの問題でない今後の対策を願い、サイレン吹鳴の聞こえにくい地域もあることを伝えた。
 同日、参加者は三越地区の砂防の現場、二津野ダムの濁水防止フェンス、風屋ダムなどを視察した。
 熊野川の濁度データとモニタリング画像は次のホームページ(新宮川水系の濁度情報)で閲覧可能。
濁水対策4

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