台風以降の観光客への影響

 台風21号による浸水や連絡橋へのタンカー衝突事故の影響で、関西国際空港は欠航が続き、この地域への訪日外国人客(インバウンド客)に影を落とし始めているのは間違いない。
 台風21号上陸前は7年前の台風12号被害が頭をよぎった人は少なくなかったのではないか。できる限り外出を控えて台風への準備をしていただろう。台風は徳島県南部に上陸し、確かに風や雨が強くなってきたが、神戸市付近に再上陸して日本海側へと進むにつれ、報道では関西の大都市(大阪府・兵庫県)での暴風雨に加えて高潮の被害が続々と伝えられた。
 そのころ、この地域ではインフラの一つで最も重要である電気が広域で停電した。この時代は電気への依存率が高く復旧するまでの間、不安に思った住民は少なくない。復旧が進むにつれてこの地域ではいつも通りの生活を取り戻しつつあるが、観光面でみると台風の影響が続いている。
 和歌山県の南部に位置している私たちの地域では、訪日外国人・輸出入の玄関口として関西国際空港に依存、その関西国際空港は今回の被害で通常に戻るには数年かかるといわれている。数年間の経済損失を考えると先行きが不安になる企業も少なくないのでは。この地域でも他人事ではないことを各市町村長は考えているのだろうか。各自治体が連携し早急に行動を起こしてほしい。
 外国人観光客はこの地域経済においても必要不可欠で、国内旅行客だけでは厳しいのが現状だ。南紀白浜空港が民間活力導入事業の第二次審査を実施し、優先交渉権者を選定した。このことは観光面に大きなプラスの影響をもたらすと期待されているが、実際に運営できるまでは時間がかかる。この機会に県に対して促進を陳情するなどの行動を起こさないと、地域経済、特に観光に携わる企業などがどんどん衰退し雇用が失われ、人口減少が加速してしまう。
 南紀白浜空港は横風が強く滑走路も短いが、滑走路やターミナルの改良、新規路線拡大やチャーター便など空港の抜本的改革に運営権をもつ企業に期待するしかない。各自治体は台風21号の被害を対岸の火事と思わず、これを機会に南紀白浜空港からの観光客を促進し、税関機能も併設することで、和歌山県産の物資を輸出できるように、国や県への働きかけをしっかり行っていくべきだ。
(平成30年9月15日付 紀南新聞掲載)

editorial-5-300x220

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

社説

  1. editorial-5-300x220

新聞広告ガイド

名刺印刷承り中

ページ上部へ戻る