守り、伝える大地の遺産
南紀熊野ジオパークを学ぶ

6・南紀熊野ジオパーク勉強会
 南紀熊野ジオパーク推進協議会は28日、新宮市緑ヶ丘の県東牟婁振興局で南紀熊野ジオパーク勉強会を開催した。元小学校教諭の湯峯利樹氏が講師を務め、地質学の観点からジオパークについて講演を行った。
 湯峯氏はジオパークと世界遺産との違いを「世界遺産は顕著な普遍的価値を持つ不動産を対象とするのに対して、ジオパークは優れた大地の遺産とそれに関わる保全・教育を伴った観光システムを対象とする」と説明した。
 ジオパーク認定には地質や環境だけでなく、岩石や化石、地層、地形、それに寄り添って暮らす生物の営み、それに伴う歴史や伝統、文化の保全や教育活動も重要となる。そこで湯峯氏は新宮市神倉にある神倉神社のゴトビキ岩を例に出して自然環境と信仰、暮らしの関わりについて説明した。
 ゴトビキ岩は火成岩が冷える際に体積が小さくなることによって縦の割れ目ができ六角柱になる「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」から、タマネギの皮をむくように丸く風化し、残った「コアストーン」と呼ばれる岩になったもの。その珍しさから信仰の対象になり、現代にもお燈祭りなどの形で伝統行事が継承されているほか、かつては沖を航行する船の目印になっていたなど地質・信仰・生活と深い関わりがあると説明した。
 ほかにも、試験管を用いた実験で地層の成り立ちなどを分かりやすく解説。また、当地方の産業に深くかかわりのある温泉についても「非火山性の温泉で、岩石に含まれていた分子レベルの水分が分離して温泉になる」と述べた。
 参加者は熱心に耳を傾け、内容を書き留めた。湯峯氏は「普段の生活でも岩石や崖(がけ)などを見てなぜこのような形になったのだろうと興味を持ってもらえるとうれしい。さまざまな地質や文化などに興味をもち探求してほしい」と呼び掛けた。

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