燃え盛る松明 放り投げる
那智勝浦町 伝統の「二河の火祭り」

【横2段】火のついた松明を山に向かって投げる 那智勝浦町二河の三光山金剛寺で25日、「二河の火祭り」が営まれた。室町時代の永正7(1510)年にはじまり、今年で508年目になる荒供養。地域の青年らで組織する「二河の火祭り保存会」(二橋青年会)が寺の裏山で、燃え盛る松明(たいまつ)を次々と放り投げ、山を赤く染めた。訪れた観衆は「まるで山が燃えているよう」と歓声を上げた。
 寺の裏山にある宝篋印塔(ほうきょういんとう)に祀(まつ)られた、近隣の村とのいさかいで亡くなった若者の霊を供養するために始まったと伝えられている。先祖代々の総供養も兼ねており、地域の若者により伝承、現在では同会がその役割を受け継いでいる。もともと「二十三夜」と呼ばれていた祭りでもあり、毎年8月23日に実施しているが、台風20号が接近していたため延期していた。保存会の現メンバーが知る限り、延期は50年以上ぶりとのこと。
 白装束に身を包んだ保存会の15人は、本堂での参拝を済ませ、石段を駆け上がって宝篋印塔前の広場に到着。火を起こして松明を燃やし、それを振り回して勢いをつけ、山の高所に張られた鉄線目がけて放り投げた。飛距離が足りず木に引っ掛かったり、投てきに失敗して地面にたたきつけられたりして火の粉が舞った。会員は熱と煙に包まれた中で、額に汗を浮かべながら懸命に松明を放っていた。また、この日は見物客の中から松明投げに挑戦する人を募り、祭りの雰囲気を味わってもらった。用意された300本(150組)の松明を全て投げ終えるころには、あたりが真っ赤に染まっていた。【横2段】勢いよく石段を駆け上がる
 松明投げを体験した東京都中央区の伊藤峻吾さん(24)は、「仕事の研修でこちらに来ていて、たまたまこういう祭りがあると知って見に来た。まさか投げられるとは思わなかったので貴重な経験になった。また来たいと思う」と語った。
 なお、寺の周りでは地区住民ら有志による夜店や特設やぐらを囲んでの盆踊りも行われ、大勢が8月最後の土曜日を満喫していた。

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