熊野川町日足で河川氾濫
台風20号 大雨と暴風の被害

1・濁流となった熊野川(24日午前7時ごろ、紀宝町鮒田水門から) 台風20号は23日夜に紀伊半島に最接近し、本紙関係地域でも新宮市熊野川町日足の熊野川が氾濫したほか、路面冠水、倒木、停電など影響があった。一夜明けた24日朝、強風の影響で草木が散乱し、清掃に追われる人の姿も見られた。

 和歌山地方気象台によると、23日午後10時30分までの1時間に古座川町付近で120ミリ以上の猛烈な雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」を発表。台風の影響で24日も西日本などで大雨や大荒れ、大しけとなる所もある見込みで、引き続き警戒が必要な状況。気象台などでは、気温や湿度も高いため、清掃活動などをする場合は、併せて熱中症対策を呼び掛けている。
 各自治体も災害対応に追われている。本紙関係の各自治体によると、24日午前11時50分現在、けが人の情報は入っていないという。

■道路への影響

 河川氾濫による路面冠水で、新宮市熊野川町の国道168号(宮井〜東敷屋)が通行止めとなったが、24日午前7時に解除されている。また、道路冠水や倒木、崩土などで▽県道高田相賀線(新宮市高田地内)▷県道静川請川線(田辺市本宮町川湯地内)▷県道那智勝浦本宮線(本宮町耳打地内〜皆瀬川地内)▷国道168号(本宮町大居地内)▷国道311号(本宮町渡瀬地内〜耳打地内)▷三和大橋(三重県側)の下側〜和気方面・楊枝▽敷屋大橋新宮側(旧国道)▷宮井相須の甲明神社前付近から上流−も通行止めとなっているが、こちらは24日正午現在も解除されたという情報は入っていない。

■床上浸水の住民 「またか」と落胆

 熊野川町日足地区などでは、田んぼが水に浸かりプールのような惨状になったほか、電話が混線し、携帯電話での通話も困難な状況となった。事業所が床上浸水の被害にあった同地区の池上プロパン・池上順一社長は「ここまで来るとは予想していなかった。午後11時ごろに隣近所から『危ないぞ』と言われた。道路冠水基準高マイナス2メートル50センチの時点からプロパン、事務機、伝票類を上がり屋に運び上げた。深夜1時ごろから水が上がり出し、2時30分ごろには事務所が約1メートル浸水していた」と語り、7年前を思い起こし、「またか」と悔しさをにじませていた。

■路肩欠損や土砂崩れ

 田辺市本宮町でも大きな影響があった。降水量は同町静川で23日午後7時までに61ミリを記録。24日5時、二津野ダムの放流量は4610トン。大塔川の増水で川湯地区が冠水し、朝には引いたが、床上浸水、路肩欠損などの被害があった。同区の静川請川線は現在通行止めになっている。
 23日夜、田辺市全域に避難勧告発令。本宮町の避難者数は三里地区地域防災拠点に9世帯12人、本宮中学校に4世帯8人、上地集会所に2世帯2人、旧静川小学校に4世帯4人、川湯山水館に5世帯5人、小津荷集会所に4世帯6人、請川地区地域防災拠点に3世帯5人が避難。24日午前には帰宅した。23日夜から停電があり、まだ復旧していない地域がある。
 国道168号では新宮市相賀〜本宮町、本宮〜大居の間が崩土のため通行止めになったが、24日朝に解除。曲川では道路崩壊により午前10時現在、集落が孤立している。下湯川でも冠水があった。上切原では土砂崩れがあり、民家一軒に土砂が流入した。

■鉄道・バス

 JR西日本は特急くろしお(京都・新大阪〜白浜・新宮間)、きのくに線(新宮〜和歌山間)で24日の始発から運転を見合わせている。線路点検等を行い、異常が無いことを確認してから運転再開する。台風通過後も雨が降り続くことが予想されており、状況によっては運転再開までに長時間かかる場合があるとのこと。なお、バスなどの代行輸送は行わない。
 路線バスを運行する熊野交通によると、高田線、小口線が道路通行障害のため、24日の運行を取りやめた。また、川丈線は本宮町川湯地区が道路通行止めのため、成石〜かめや前バス停間はう回するとした。最寄りバス停は、請川もしくは川湯温泉。これら以外の路線バスは平常通りの運行。

■施設への影響

 台風を受け、休業を余儀なくされる施設も。新宮市の「浮島の森」や「熊野川川舟下り」が臨時休業となったほか、「熊野川温泉さつき」は24日の営業と25日のランチバイキングを中止した。熊野市紀和町の「入鹿温泉ホテル瀞流荘」は予定通り営業、新宮市高田の「雲取温泉・高田グリーンランド」は道路状況を判断しながら営業する予定。

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