中上健次が過ごした新宿と新宮を深掘り
熊野大学夏期セミナー

6・熊野大学2 「2018熊野大学夏期セミナー」が18〜19日、新宮市高田の高田グリーンランドで開かれた。「中上健次1968/1978―新宿という『大学』そして部落青年文化会―」をテーマに5人の講師が講演し、中上健次の長女の紀さんが進行を務めた。
 今年は新宮市出身の芥川賞作家で名誉市民の中上健次が新宿を拠点にアマチュア時代最後の研さんを積んだ1968年から50年、地元の新宮で出自の「路地」と向き合うべく「部落青年文化会」を組織した1978年から40年にあたる。セミナーは1993年に始まり、26回目。
 初日は同大学の松本巌理事長が「中上健次の新宿時代、新宮時代を深く掘り下げていくようにと先生方にお願いしています」とあいさつ。その後、劇作家の宮沢章夫さんが「アイラーにきけと中上健次はいった」を演題にスピーチ。
 宮沢さんはジャズ好きの中上が好んで聴いていたアルバート・アイラーの曲を流しながら、著作「灰色のコカコーラ」を紐解く粋な演出で参加者を楽しませた。「『灰色のコカコーラ』は新宿を舞台にしたのではないか?」などと展開。
 「中上の愛した60年代の新宿は天才、狂気のサックス奏者であったアイラーの熱量そのものだったのでは。熱量が失われたから中上は新宿を去ったのでは」などと言及した。
 引き続き、文芸評論家の絓秀実さんが「小説言語の誕生―第二次ブントと中上健次」を講演。文芸評論家の髙澤秀次さん、現代美術作家のやなぎみわさん、絓さん3人による座談が行われた。
 19日は髙澤さんの講座「路地再開発と『部落青年文化会」の活動、そして現在」が行われ、「部落青年文化会」のDVD上映、静岡大学准教授の山本崇記さんが「1968→2018への架橋―部落青年・開発(同和対策)・再路地化に向き合う実践」を講じた。

5・熊野大学1

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新聞広告ガイド

名刺印刷承り中

ページ上部へ戻る