有効な広域連携 頼りは消防団

 今月5日夜に那智勝浦町の湯快リゾート越之湯で発生した火災では、近隣の新宮市、串本町、白浜町、田辺市の各消防本部から応援部隊が駆けつけ、総勢約200人で消火活動を行った。紀南消防総合応援協定に基づいてのもの。新宮市消防本部は職員に非常招集をかけ、車両7台と署員24人が出動。勝手が分からない隣町での活動だったが、指揮者となる幹部職員が那智勝浦町消防本部の指示を受け、自らの署員に的確に伝達し行動した。
 今回のような大火の際、地域の消防力を集中させて対応することは有効だろう。一方で、その時間帯は自分たちのまちの消防力が少なからず低下していることも事実。新宮市消防本部によると、他市町村へ消防隊派遣中に管内での有事に対応するマニュアルがあるが、やはり頼りになるのは消防団の存在だ。事が起こってから「想定外」とならないよう、消防本部にはマニュアルの再確認や団員との意思疎通をしっかりと行ってもらいたい。
 那智勝浦町消防本部は火災当日、町内の消防団全8分団の招集をかけた。最初は勝浦と那智地区の4分団だけだったが、火勢が衰えず徐々に団員を増やした。当時の状況について同本部は「結果的に消防力を集中させたが、救急や他の地区での火災出動も想定しながら、本部には余力を残し動いていた」と説明する。
 火を出さないための対策も必要だ。那智勝浦町消防本部によると、町内の宿泊施設には年1回の立ち入り検査で消防用設備に問題がないかどうかを確認。問題があれば改善指導している。施設側も訓練を年2回行い、うち1回は消防署員から指導を受ける形で備えている。
 消防法の改正があれば、該当する消防設備の更新が必要で、競合地との価格競争を行う大規模な宿泊施設ほどその負担は軽くない。しかし、大勢の宿泊客の安全を守らなければならない施設にとって常に万全の状態を保つことが求められる。こうした施設管理の部分で行政が補助金を出すことなどできないか。今回の火災で観光・経済に大きな影響を与えたのは明らか。堀順一郎町長が言う「火を出さないことが大切」の対策の一つとして考えてもらいたい。
(平成30年8月18日付 紀南新聞掲載)

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