施設火災 行政ができる対応は

 那智勝浦町湯川の湯快リゾート越之湯で5日夜に発生した火災。当初、正面玄関とレストランが入る棟の2階の女子トイレから煙が出ているとの通報だったが、現場検証から、この女子トイレの真下(1階)で物置に使用している部屋の天井裏から出火した可能性があることが分かった。スプリンクラーが作動しにくい天井裏を通じて燃え広がったもよう。那智勝浦町消防本部によると、天井裏は電気系統の配線が通っている場所で、部屋は施錠されているという。また、防火扉は正しく使用され、機能したことから宿泊棟への延焼は免れた。
 避難した宿泊客は南紀勝浦温泉旅館組合などの手配により、近隣の宿泊施設に分かれて泊まることができたが、各施設の予約状況によってはこうした対応ができなかった可能性もある。行政として対応できることはないかと堀順一郎町長に聞くと、火災当日は役場で待機し、消火活動の様子を見守るとともに、宿泊客を受け入れるために同町天満の福祉健康センターを開放し、準備していた。また、宿泊客へのケアとして、保健師ら町職員が翌日に振替宿泊となった施設を訪問し、健康状態などを気遣ったという。
 町内には数百人単位が宿泊できる大規模な施設が多く、今回のような火災だけでなく、施設内のトラブルなど諸事情で急きょ宿泊できない状況も考えられる。堀町長は「繁忙期はどの宿泊施設も満員となる。そうなると施設同士での振替は困難で、町としては緊急時の対応として、今回準備した福祉健康センター以外にも、普段避難所として運用している施設を開放して受け入れる態勢をとる」と見解を示す。
 今回の火災は、今後の町の観光産業に大きな痛手だ。今年6月に勝浦漁港にオープンしたにぎわい市場には、越之湯の宿泊客が一日平均50人程度は立ち寄り、近くの商店街で食事や買い物をする人も多かったという。
 堀町長は「影響は大きいが、今後、越之湯には何とか再開することを考えてもらいたい」と話す。那智勝浦町を訪れたいという観光客を一人でも多く受け入れられるよう、行政と関係施設が一体となって難局を乗り切らなければならない。
(平成30年8月11日付 紀南新聞掲載)
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