水平移動の技術に驚く
「持ち上げない介護」の講習会
「まるで手品のよう」

4・ジョブスクール1 株式会社アイドル(榎本義清代表)は26日夜、新宮市新町の市社会福祉協議会新宮ステーションで、第1回ジョブスクール介護技術向上講演会を開いた。
 日本社会事業大学社会福祉学部特任教授の佐々木由惠さんが「持ち上げない介護」をテーマに座学と実技を講習し、介護関連職など22人の参加者は、持ち上げないためには、介護の基本姿勢から肘と膝を支点にした動きで、水平移動することを学び、実践した。
 佐々木さんは厚生労働省の職場での腰痛予防対策指針に触れ、「国のガイドラインでは持ち上げてはいけないことになっている」と話し、持ち上げによる介護者の腰痛が原因で離職を余儀なくされるケースも増加、「持ち上げる介護はやめよう」と呼び掛けた。
 持ち上げる介護をやめるために、介護ロボットも導入されているが、着用に約15分もかかるため、急を要する場合は不向き。スライディングシートやポジショニンググローブ、多点ベルト、スライディングボードなどの福祉用具の使用が有効であると推奨。
 これら福祉用具を有効に活用することで、ほとんど力を使うことなく、水平移動・移乗(トランスファー)できる技術を説き、持ち上げ(リフティング)技術からの脱却を強調。そのためには、足を肩幅よりやや広げ、重心を低くし支持基底面を確保、絶対に直立しないこと。
 「肘、膝を支点にしたてこの原理を応用すること」と語り、利用者にとっての自然な動きを探す努力をし、「身体を部分的に動かし、その都度重心を各部分に移していく」という原則に留意し、一人一人の利用者に個人的な解決法を見つけることが重要とした。
 座学の後、福祉用具や介護基本姿勢からの肘、膝を支点にしたてこの原理を応用した実際の水平移動を実践。最初は、持ち上げてしまう癖がついているため、水平移動の習得に苦労していた参加者も、繰り返し経験することによって、コツをつかんでいった。
 あおむけに寝ている状態から側臥位(横向き)、起居動作(寝返り、起き上がり、立ち上がり、座るなどの日常的動作)など福祉用具を使用し経験。
 ベッドから車椅子、車椅子からベッドへの移乗を佐々木さんがスライディングボードを使って見せると、参加者からは「まるで手品を見ているようだ」「これほど簡単にできるとは」「まったく力を使ってない」などと驚きの声があがった。
 佐々木さんは「介護者が大変な介護をしてはいけない。負担がないように介護も変わっていかなければ」と訴えた。
 上野スミレさん(18)は「教科書では習わないこと、介護に対するプライド、新しいことが学べた。使ったことのない福祉用具でかんたんに、利用者さんに負担なく移動できることを習得できたのが一番よかった」と話した。
5・ジョブスクール2

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