新宮医療圏 役割分担明確に

 新宮圏域(1市4町1村)の人口構造の変化は、8年前の2010年(平成22年)で総人口の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上となっており、高齢化が進んでいる。7年後の2025年には、75歳以上の人口は今後緩やかに増加し、65歳以上は緩やかな減少傾向にあるが、働く人口(65歳未満の高齢者を支える人口)は約3割減少し、総人口としては県内で最も大きく減少していく傾向にある。
 現在、圏域内には7つ(内公立病院3つ)の入院病床を持つ病院があり、急性期・回復期・慢性期の医療を担っている。高度急性期に関しては、奈良県・三重県の隣接した地域に高度急性期機能を持つ病床がなく、高度急性期機能を保有する和歌山圏域・田辺圏域から遠方にあることから、圏域はもちろん県境を越えた周辺地域の拠点病院としての新宮市立医療センターに多くの患者が集中している。
 2025年の地域医療体制は、高度急性期機能を備えた医療機関から遠方となる新宮圏域の必要病床数は44床との推計があり。高度急性期を担う病床機能を充実させていく必要がある。また、回復期病床も圏域で不足しているため、回復期機能を担う病床も今後も増やしていかなければならない。
 今、国が進めている在宅医療に対しては、平成28年に新宮市立医療センターに「在宅医療サポートセンター」が設置され、かかりつけ医と病院との連携強化や他職種によるネットワークの拡充等が推し進められている。
 また、高齢者単身世帯割合が19.5%と県内で最も高い比率を示していることから、リハビリ機能の充実や在宅医療・介護の連携推進や予防と併せて臨んでいく必要がある。
 2025年には新宮圏域の医療需要、一日当たりの患者数の半減が見込まれることから、それに伴い今ある病床数を、全体的に減らさなければならなくなってくる。そこで圏域内にある7つの病院が安定した維持と存続していくためには、人口の推移と医療需要のバランスを見極め、公立病院の経営形態の見直しも視野に入れ、それぞれ役割・機能分担を明確にして将来に向けた地域医療の充実に取り組んでいかなければならないのではないか。
(平成30年7月28日付 紀南新聞掲載)

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