ブロック塀撤去 補助で加速

 先月発生した大阪北部地震以降、本紙関係の各自治体ではブロック塀の緊急点検を行い、危険箇所の把握や撤去に向けて進めているが、学校などの公的施設のみならず、まち全体を通して危険箇所をなくしていくことが課題だ。
 地震時、ブロック塀は凶器になり避難も妨げる可能性がある。当地方でも南海トラフの地震発生が懸念されており、随分前から防災講演会や学習会などで指摘されているが、これまでブロック塀対策への優先度はそれほど高くなかった。
 新宮・東牟婁地方の市町村のうち、ブロック塀の撤去に補助を出しているのは串本町のみ。串本町は南海トラフ地震で津波の到達が県内で最も早いとの予想があり、倒壊したブロック塀が避難の障害にならないよう、平成16年度から撤去にかかる補助事業を開始。当初は費用の2分の1の補助率(上限30万円)だったが、同26年度から9割補助(町民1割負担)にまで引き上げたところ、年間10件程度の申請があるという。
 串本町総務課は、「年間に15件程度の申請を見越して毎年予算を確保しているが、大阪北部地震以降、問い合わせが増え、本年度はすでに10件の申請が完了している。予定件数を超える場合でも、補正予算を組んで対応していきたい」と話している。
 一方、同じく一般住宅周辺のブロック塀撤去に補助制度のある三重県紀北町では、大阪北部地震以降、問い合わせが急増。実際に撤去を決断する人も多く、すでに年間予算の9割の申し出があり、危機管理課は「まだ申請があると考えている。9月議会で増額補正できれば」と申請増加を見越して対応を検討している。
 串本町、紀北町に共通するのは、海から近く、細い道に面したブロック塀のある住宅が多い。有事の際、1分1秒でも早く高台へ避難しなければならないが、揺れによってブロック塀が倒壊して人を巻き込んだり、避難路を塞いだりすることが懸念されているため、以前から補助制度を設けて撤去を促している。
 新宮市では、現在のところ、ブロック塀撤去への補助制度はないが、王子地区や三輪崎地区など比較的海岸部の地区でブロック塀のある路地が目立つ。今後、防災対策の中で優先順位を上げて考えていく必要がありそうだ。
(平成30年7月14日付 紀南新聞掲載)
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