子どもの安全 最優先に

 大阪府北部を震源とする震度6弱の地震で、同府高槻市立小学校のブロック塀が倒れて登校中の女子児童が死亡した事故を受け、文部科学省は全国の小中学校に危険なブロック塀がないかどうか緊急点検を行うよう要請した。和歌山県教育委員会は地震当日の18日に各市町村教委に対し速やかな点検を指示。新宮市教育委員会は同日午後に神倉、王子ヶ浜、三輪崎の小学校3校の周辺で目視確認した。
 市教委教育総務課によると、建築基準法に伴う点検を受けており、幼小中ともに危険箇所の指摘はないが、三輪崎小は一部民有地との境界で、いわゆる控え壁が必要となる高さ1・2メートル以上の箇所があった。設計士らとも相談し対策を考える。また、通学路についても順次確認を進めるとしている。
 地震時、ブロック塀は凶器になり避難も妨げる可能性がある。当地方でも南海トラフの地震発生が懸念されているが、随分前から防災講演会や学習会などで指摘されていることだ。今回の事故を受けた緊急点検で、学校をはじめとした公的機関の安全確認は進む。一方で、民有地のブロック塀はどうなるのか。行政として対応するのは難しいかもしれないが、子どもらの安全を最優先に対策を進めてほしい。周囲の大人も子ども目線で近所を確認してみるのも必要だろう。
 国は学校のブロック塀に異常が見つかった場合の改修や撤去の費用について補助金の活用を検討しているが、条件次第で民有地にも適用していくことが通学路の安全につながる。しかし、必要箇所すべてを改修するには時間もかかる。いつ発生するか分からない地震に対し、子どもらの安全教育を併せて進める必要がある。
 防災教育は机上だけでは完結しない。教職員や専門家が子どもらと実際に通学路を歩き、危険箇所を見極め、適切な対応を指導する。未来のある子どもたちの犠牲を一人も出さないために、周囲の大人がそれぞれの立場で今できることに努める。ハード・ソフト両面の対策について、行政が率先して行うのはもちろんだが、各種団体等も「子どもの安全」というテーマに沿った事業を行うなどして住民の機運を高めていくことも一つではないか。(平成30年6月23日付 紀南新聞掲載)

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