海運が支える日本
中学生に重要性を講話
産業との密接な関わり

photo 国土交通省近畿運輸局と近畿内航船員対策協議会は11日、那智勝浦町立宇久井中学校で、出前講座「船乗りになろう」を開いた。大型船の船長経験がある、同協議会の上窪良和会長(70)が講師を務めた。1年生22人が受講。日本における海運の重要性や船員の仕事内容を学んだ。
 上窪会長は「輸送業は社会にとって重要。地味な裏方だが、絶対に必要」と強調。空運、陸運、海運があり、日本は島国のため海外輸送に陸運が使えないこと。空運はわずかで、海運が99・7パーセントを占めることを明かした。「日本は資源がないため、海運の量で見ると輸入が多く、輸出の約6倍になる。ただし金額は別」と話した。
 輸入品目の上位6位は①石油②石炭③鉄鉱石④天然ガス⑤穀物⑥木材−であること(6月現在)を紹介。「これらは100パーセントが海運。船が止まると日本の産業や経済はストップする」と指摘した。石油に関して、「9割をペルシャ湾岸の国から、ホルムズ海峡を通って持ってくる。通れないと日本の石油が止まる。ここ(中東)の問題はすごく日本に関係がある」と語った。
 船の大きさとして、オイル(石油)タンカーは長さ約330メートル、幅約60メートル。サッカーコート約3つ分と解説。「石油は年間2億トン近く輸入する。1回で30万トンぐらい運べるので、約700隻が必要で、平均すると毎日2隻ずつ運んでいる計算」と述べた。船の弱点はスピードで、時速は25キロから30キロほど。日本からアメリカ西海岸まで約2週間かかるとした。
 船長になる前は航海士で、星の高さを計って位置を調べていたこと。現在はGPSで位置が分かること。他の船員として機関士がおり、船の機械の手入れや修理を行うことを紹介した。船員の特徴として「船に乗ったままの仕事。職場と住居が一緒。一回海に出ると、基本は次の港までノンストップ。長いと何か月、短くても2か月、船で過ごす」と語った。
 シンガポール・マラッカ海峡の周辺で海賊に襲われそうになったが、高圧放水で撃退したこと。小笠原諸島沖合で嵐に巻き込まれた経験なども明かした。
 海運には外航(外国)と内航(国内)があり、外航は外国人が担うことで対応できている反面、内航の船員は日本人でなければならず、約半数は50歳以上、4人に1人が60歳以上と高齢化が著しい。このため海運業界では、若年船員の確保が喫緊の課題となっている。

photo[2]

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今月のニュース

2018年10月
« 9月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

社説

  1. editorial-5-300x220

新聞広告ガイド

名刺印刷承り中

ページ上部へ戻る