防災意識の薄れ懸念
土砂災害想定し避難訓練
那智川筋の自主防

photo[2] 那智勝浦町の市野々・井関・八反田区自主防災組織による土砂災害防災訓練が3日、町立市野々小学校を拠点に実施された。地区住民44世帯62人が訓練に参加し、自主防災組織と行政、消防団の連携を図った。
 同町では、平成23年台風12号(紀伊半島大水害)の豪雨により町内各所で土石流が発生し多くの尊い人命を失った。土砂災害は、その後も全国各地で発生しており、二度と土砂災害の犠牲者を出さないための取り組みを進めなければならないとしている。
 このため、土砂災害の危険性を再確認し、災害発生が予想される状況では、必ず避難行動を取るとともに、防災情報の伝達や避難行動要支援者への支援などが確実に実行できるように訓練するのが目的。
 梅雨前線の影響で降り続く雨により大雨警報が発令され、24時間雨量で200ミリ以上の降雨があると予想されたため、町は3区に「避難準備・高齢者等避難開始」を発令。自主防災組織と消防団は避難行動要支援者への支援を開始。雨は降り止まず、土砂災害警戒情報発表やスネークラインの基準超過により避難勧告を発令、住民の避難が始まり、避難者数の把握や災害時要援護者の避難確認など避難所運営を行うことを想定し訓練が実施された。
 防災無線による避難準備、高齢者等避難開始の放送が行われると、歩くことのできる地域住民は続々と同小へ向けて避難。要援護者も自主防災会員の車に乗って避難所へ向かい、約1時間で62人が避難を終えた。
 体育館に集まり、避難に関わる情報を集約した会員は消防団員、町職員へ要援護者の搬出状況などを伝達し共有。町の避難所班と協力して避難者の誘導、名簿の作成、避難所運営などに取り組んだ。
 参加者は、ポータブルトイレの使い方や段ボールによる間仕切り、持ち運びができる背負い式の非常用飲料水袋などの説明を受けた。また、屋外ではプールの水を取水し、1時間に2000リットルを浄水できる手動、自動併用の浄水機での試飲も体験。現場ではアルファ米も配布された。
 八反田区の桑木野健介さんは「避難者の質問を受けてほしかった。地震の際の移動手段は車に頼るしかないが、渋滞でパニックにならないか。そのような場合の対処ができるのか聞きたかった」と訴えた。
 今回の訓練について市野々地区自主防の太田博久会長は「砂防ダムが完成し、土砂災害の意識が薄れてきているのは否めない。注意喚起するためには毎年継続して実施するしかない。自主防災の組織は年々確立されてきている。皆ボランティアでやってくれている。ありがたいこと」と懸念と感謝を述べた。
 堀順一郎町長は紀伊半島大水害を振り返りながら風化で忘れてしまわないようにとした上で、「今後も災害で尊い命が奪われることがないように、訓練を通して意識の向上に努めていきたい。それが無くなられた方への鎮魂になるのでは」と思いを語った。

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