長期ビジョン、常に示せ

 前町長の病気辞職に伴う那智勝浦町長選挙で無投票当選した堀順一郎町長が21日、初登庁した。
 今回の立候補にあたっては、その人柄と経験から白羽の矢が立った。町議会も全員が支持にまわったことで対抗馬が出ることなく無投票当選となった。同町はクリーンセンター問題に代表されるように、町長と議会の対立が続き、町政が停滞する事態が続いていた。今年1月に前町長が就任し、事態が好転するかと思った矢先、病気療養で空白期間に。町長不在中、町民はもちろんのこと、職員も不安を感じながら仕事にあたっていたと推察する。新町長誕生にある町民は「やっと町政が落ち着く」と安どしていた。
 堀町長は那智勝浦町浦神出身。和歌山県職員として、東牟婁振興局で地域振興部長や参事を務め、新宮・東牟婁地域の振興に尽力してきた。今後の町政を担うにあたり、県職員OBとして県とのパイプにはおのずと期待する。同時に、近隣市町村との連携についてもそれぞれの事情をよく理解しており、スムーズに進めることができるのではないか。
 課題は山積だ。前述のクリーンセンターに関しては、「いろいろな計画がある中で、経済面、環境面、時期について検証し、方向性を見いだす」としており、観光面では、増加する外国人観光客の受け入れ態勢の充実が喫緊の課題と定めた。
 また、防災面では、役場本庁舎、消防署が津波の浸水域となっていることから、移転の可能性を示唆。子育て面では、共働きの家庭が多いことから、町民から要望が寄せられている学童保育の充実などを図り、待機児童ゼロの町を目指すとしている。
 来月には町議会6月定例会を控えている。あらためて自身の考えを町民の代表である議員にしっかりと伝える必要があるだろう。一方で議員側には、堀町長の手腕を試すような質問を期待する。
 就任にあたり話していた「いずれの施策も目先だけを考えるのではなく、10年、20年先を見据えて進めていかなければならない」というのは非常に大切なこと。単に長期総合計画など「冊子」に記すだけでなく、普段から機会をとらえて町民にビジョンを語りかけていくような町長であってほしい。(平成30年5月26日付 紀南新聞掲載)

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