歯と口の健康、重要視を

 虫歯の予防や早期治療などを呼び掛ける「歯と口の健康週間」が今年も6月4日(月)〜10日(日)に行われる。本紙エリアでも歯科医師会などが中心となり、毎年この期間中を中心にさまざまな啓発事業を実施している。
 歯の健康は身体全体の健康につながることから、幼少期から正しい歯の磨き方などを指導していく必要がある。各市町村では、学校での検診や保護者への保健指導などに努めているが、中でも乳幼児から高齢者まで生涯を通した歯科保健対策に力を注ぐ紀宝町の取り組みは注目すべきところだ。
 同町は町独自で歯科衛生士を雇用し、町内の歯科医師の協力を得ながら各世代で治療促進や予防事業を展開している。例えば、保育所や学校での歯科指導を見ると、ほかの市町村では保健師や栄養士、事務職員などが窓口となっているのに対し、同町は歯科衛生士が自ら歯科医師や教職員との橋渡し役を務めることから、専門性が高く、内容の濃い指導が行き届いている。
 その成果は数字でも明らかだ。平成12年に県内ワースト2位だった3歳児の虫歯の数は、3年ほどで国や県の平均値まで改善させた。同17年には虫歯の経験のない12歳児が10人に1人しかいなかった(10人のうち9人が虫歯にかかっていた)のが、同27年では2人に1人以上に改善。虫歯を放置している児童の割合も10分の1にまで減少した。同26年度には県内で4番目に低いう蝕(うしょく)り患率となった。
 また、高齢者に対しても、介護予防事業として包括支援センターと連携しながら、入れ歯との上手な付き合い方や、かむことを生涯大切にする指導を行い、在宅で寝たきりの高齢者には依頼があれば歯科衛生士が出向き、必要に応じて訪問歯科診療につなげている。
 ほかの市町村でもできることなら、常勤の歯科衛生士を雇用し、歯科保健対策に力を入れてもらいたい。
 一方、この期間に住民一人一人の意識も高めてほしい。紀南歯科医師会主催の「第15回歯と口の健康フェスタ」が10日、那智勝浦町体育文化会館で開かれる。検診や相談、口腔内スコープなど多彩な内容の催しで、家族そろって口の健康を考える機会にできる。(平成30年5月19日付 紀南新聞掲載)

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