高い土産需要 好機逃すな

 新宮港へのクルーズ客船入港が好調だ。特に外国客船の入港が続いており、12日(土)には、大型外国客船「コスタ・ネオロマンチカ」が先月27日に続いて入港する。日本の飛鳥Ⅱを上回る大きさで、その姿はまさに洋上に浮かぶホテル。約1000人が乗船している。
 国土交通省によると、クルーズ船による外国人観光客は2015年に初めて100万人を超えた。2017年中の訪日外国人旅客数は前年比27・2%増の約253万3000人(概数)で、約8割増を記録した2016年実績と比較すると伸び率は緩やかな傾向にあるが、引き続き大きな成長がみられる。
 国交省は2016年3月に発表した観光ビジョンの中で、「訪日クルーズ旅客を2020年に500万人」と目標値を設定している。寄港地に大勢の観光客が訪問することで、土産物などの買い物や昼食休憩の飲食で消費が生まれるほか、地元住民と外国人観光客との交流の進展にも期待。クルーズ振興は地方創生に大きく貢献できると分析している。
 当地方は、道路や鉄道、空路の利便性を見ると、全国他の観光地に比べて課題があり、一度の寄港で数百人から1000人近い観光客が見込めるクルーズ船への期待は大きい。インバウンド増加の追い風に乗るべく、和歌山県は新宮港の受け入れ能力を5万トン級から11万トン級へ拡大する港湾工事を進めている。
 期待のかかる経済効果だが、お金が落ちる仕組みを作る必要がある。12日に入港する「コスタ・ネオロマンチカ」は東京発着クルーズの最終寄港地。つまり、土産需要は高いはず。限られた停泊時間に熊野三山などの観光地を巡るため、土産を求めて街中に入るのは難しい。現在、近隣観光協会などによる物産販売を岸壁で行っているが、もっとスケールアップして岸壁を埋め尽くすぐらいの「新宮港商店街」を目指してほしい。ワンストップで当地方の名産品が手に入るとなれば、観光客の利便性は高まる。
 青森県八戸市の館鼻岸壁で行われている全国最大級の朝市とまではいかなくても、客船入港日限定の商店街を定番化すれば、観光客のみならず地元住民の消費も動く。おもてなし機運醸成や交流促進にもつながる。(平成30年5月12日付 紀南新聞掲載)

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