放課後の安心、支援必要

 当たり前のように夫婦共働きの時代、さらに一人親世帯も増え、子育てをめぐる環境は昔に比べると厳しい状況にある。子どもを保育園に入れてから、どうにか仕事と子育てを両立させ、小学校入学で一息つけると思えば、放課後の預け先が見つからない。世話をお願いできる祖父母や知人が近くにいない。行政の支援が必要だ。
 先日、那智勝浦町で子育て中の母親を中心に組織する「なちかつ子どもいきいきプロジェクト」のメンバーが3961人分の署名を携え、児童館の開設を求める要望書を町長あてに提出した。町内で子どもが安全安心に過ごせる場所が少ないことを指摘。児童館設置がベストだが、それまでの間に既存施設を利用した仮の遊び場を設けることや、公園のトイレ、駐車場、遊具、日陰、休憩スペースなどの整備も要望している。
 代表の塩﨑恵美さんは「児童館があれば、子育ての悩みや不安を相談しやすい環境を作れる。年齢や学校を超えて子ども同士が、さらに地域ともつながることができる。私たちも町と協働で、できることはしたい」と話す。
同町では、小学生は勝浦、宇久井、下里に学童保育があるが、定員の関係で小3までとなり、小4以上の受け皿はない(4月からは下里のみ小4まで受け入れ)。 学童は本来、小6までの受け入れだが、施設面積と人員の関係で低学年を優先し、高学年は受け入れ不可能となっている。
 新宮市では、公設の児童館が市内5か所にあるほか、学童保育もあり、放課後の受け皿としては十分。市教委管轄の橋本・下田・浮島の3児童館は幼児〜中学生まで受け入れ、異学年の交流も進んでいる。
 また、紀宝町は、児童館施設ではないものの、成川と井田地区で公民館など公的施設を開放し、町の依頼を受けた管理人が集まってくる児童を見守っている。町社会福祉協議会が行う放課後児童クラブや、生涯学習センターまなびの郷を利用する児童も多い。
 那智勝浦町も、まずは既存の施設を使い、管理人をボランティアで募るところから始めてはどうか。大地震時の対応も考えると、今後、子どもを一人にさせない環境づくりを一つの役割としてとらえてもらいたい。(平成30年4月1日付 紀南新聞掲載)

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