障害者が地域の担い手
農業・福祉の連携唱える

photo 農業と福祉の連携を考える「農福連携セミナー」が2月27日、太地町公民館であった。約70人が参加し、両分野の課題解決につながり、有益でもある連携の在り方を学んだ。
 新宮・東牟婁圏域自立支援協議会就労部会、みくまの農業協同組合の主催。和歌山県障害福祉課の共催。農福連携は、担い手の高齢化や減少が進む農業と、障害者や高齢者の働く場の確保を求める福祉の連携を目指した動き。国や地方自治体も推進の姿勢を見せている。
 3人の講師が実例や当地方の農業の現状などを演題に登壇した。基調講演として、特定非営利活動法人HUB理事長の林正剛さんが「農福連携のこれまでとこれから」を講話した。
 林さんは、農業の問題として▽農家の高齢化▽農業従事者の減少▽耕作放棄地の拡大―などを紹介。さまざまな統計資料を示し、「日本の農業は危機的な状況」と語った。どこまでが農福連携と呼べるのかをいう疑問に対し、「実は明確な定義、ルール、ガイドラインは無い。独自判断でOK」と明かした。
 障害者の心身ケアを期待する「農」との連携ではなく、農業側にも福祉側にもメリットがあり、持続可能な収入の確保や雇用を実現する「農業」を目的とした連携が必要と強調。「商売として農業を考えないと」と力を込めた。
長野県での先進事例として、障害者と施設職員が班を組み、企業などから請け負った作業を施設の外で行う「施設外就労」を紹介。タマネギの根と茎切り、田んぼの除草、ブドウの傘かけ、ネギ畑の草取りなどを行い、好評を得たことを話した。
 京都府での農福連携事例も説明。後継者がおらず放棄されていた茶園を整備し、障害者が技術を継承して宇治茶を栽培していることを伝えた。和歌山市では、もともと多種多様な加工食品を生産販売していた福祉施設が、地域農家から少量ずつの訳ありミカンを購入し、ジュースやゼリーに加工していることを話した。
 林さん自身がかかわる滋賀県の事例では、障害者福祉施設が山間部の耕作放棄地でコンニャク芋を栽培。市やJA、商工会などと協力して、市の名物とする試みを実施中と語った。「地域を巻き込み、福祉を中心とした取り組みにしなかったことで、持続可能とした」と述べた。
 これらの事例を根拠として、「農福連携をきっかけに、障害者が地域づくりの担い手となり、地域にとって必要不可欠な存在になる」とまとめた。

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