「静か」より「にぎわう」場
理想の学校図書館像を模索

photo[1] 那智勝浦町教育委員会と同町立図書館による平成29年度「子どもの読書活動リレーフォーラムinなちかつうら」の第5回フォーラムが10日、同町体育文化会館で開かれた。文部科学省司書教諭講習講師の中山美由紀さん=顔写真=が「学校図書館の可能性〜つかって・まなんで、学校図書館〜」をテーマに発表したほか、絵本作家の松居友さんが「お話し体験と生きる力」をテーマに講話した。その後、和歌山大学図書館の渡部幹雄館長を加えた3人で「子どもたちに本を届けるために、わたしたちができること」をテーマに意見交換。教育関係者ら約30人が来場し、理想の学校図書館像を模索するとともに、読書と教育の関係性などを学んだ。
 中山さんは、学校図書館を擬音で表現する場合、静かな「しーん」よりも、子どもたちでにぎわっている「わいわい」「がやがや」の方が良いとし、本を読むだけの場所にするではなく、授業で使ったり、本を読み聞かせたり、本を活用した催しなどを行ったりする場所にすることが大切だと強調。大勢に使ってもらうために、読んで貰いたい本をどうやって目立たせるか、館内の配置は利用しやすいものかなど、利用しやすい環境作りに取り組むことが必要だと述べた。
 国内外問わず、数多くの学校図書館を見てきた中山さんは、「コンピュータを設置していないところはなかった」と語る一方、「日本の学校図書館は外国と比べてデータベースを活用していない」と現状を憂いた。これに関連して、『先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース』というウェブサイトを取り上げ、毎月、全国各地の学校図書館やおすすめの本などを取り上げていると紹介した。
 読み聞かせの工夫として、子どもの成長単元や学びの状況によって本を選ぶのがいいとし、中山さんは、一例として、地域の歴史を物語でまとめた『羽田の水舟』という本は水の学習に役立つと話した。このほか、修学旅行の前に、行き先に関する歴史や場所などを紹介する本を読んでもらい、レポートを書いてもらうことも良い学習になると提案。学校ごとの教育方針に応じた蔵書に取り組むことが重要だと示した。
最後に、中山さんは▽哲学▽地理歴史▽社会科学▽自然科学▽技術▽産業▽芸術▽言語▽文学▽総記︱で構成する「NDC(日本十進分類法)」を紹介。読書は、国語力を構成している「考える力」「感じる力」「想像する力」「表す力」のほか、国語の知識などにも関わり、これらの力を育む上で中核となるものだとし、子どもが幼いころから読書の習慣を身につけさせ、「自ら本に手を伸ばす」ように育てていくことが求められるとまとめた。

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