平成の節目 大役担う
御神火授ける大松明

 新宮photo市の神倉神社で6日に斎行される例大祭「お燈祭り」を前に、祈願者の上り子(のぼりこ/あがりこ)に御神火を授ける、迎え火用の大松明(おおたいまつ)が完成した。介釈を務める神倉青年団の中山忠吏団長(48)と今年大松明を持つ垣本和則副団長(50)が1月31日、紀南新聞社を訪れ、「国家安泰」や「五穀豊穣(ほうじょう)」の祈願文を書き入れた。
山上の社殿で古式にのっとっておこされた御神火を受け取り、上り子に分ける大松明。ヒノキ作りで高さ約2・5メートル、重さ約30キロ。5角形の最も太い先端部の幅は約15センチある。花(薄く削ったヒノキの束)を大量に取り付け、金具を使用しない昔ながらの製法が特徴。使用する木は新宮木材協同組合と紀南新聞社が奉納し、十数年前から神倉青年団員が自ら製作している。
今年も1月上旬に製作を開始。同30日夜、花を取り付ける最後の仕上げに臨み、集まった7人の団員は慎重に作業を進めた。花は100本ずつの束を9本作り、先端に取り付けた。完成した大松明を確認した中山団長は「団員による作業も年々慣れて早くなってきた。今年の出来栄えも上々」と話した。
祈願文の書き入れは、「奉納」「国家安泰」「五穀豊穣(ほうじょう)」「諸願成就」「迎火」、平成三十年二月六日と毛筆で記入。続いて、祭り当日に熊野速玉大社や神倉神社で使うさい銭を奉書紙で包み、男結びで大松明に結び付けた。
中山団長は「祭りまで一週間をきった。当日は厳しい寒さが予想されているが、上り子、関係者それぞれけがのないよう、しっかり仕事をしたい」と語り、垣本副団長は「大役を無事に終わらせるよう頑張っていく」と意気込んだ。
中山団長らはこの後、新宮木材協同組合と熊野速玉大社を訪れ、上野顯宮司に完成を報告するとともに、祭典の無事斎行を願い祈願した。
お燈祭りの当日は、白装束に荒縄を巻いた上り子が、祈願文を書き入れた松明を手に、阿須賀神社、熊野速玉大社、妙心寺の3か所で祈願(三社参り)を済ませたあと神倉山に入山。「ワッショイ、ワッショイ」と気勢を上げながら石段を上り、同神社の御神体「ゴトビキ岩」のある山頂に待機する。御神火を受けた大松明からそれぞれの上り子の松明に火が分けられた後、午後8時ごろに山頂の神門が開き、上り子が一斉に下山。燃え盛る松明で神倉山が赤く染まることから新宮節の一節では「山は火の滝下り竜」と称されている。
全ての上り子が降り立った午後9時過ぎからは奉幣(ほうへい)神事が斎行される。熊野速玉大社の神職、飛竜山神州院(ひりゅうざんじんしゅういん)の行者、神倉青年団らの介釈による奉幣行列が市内を歩き、阿須賀神社と熊野速玉大社に幣を納め、祭りは幕を閉じる。

2月2日、3日付けの紀南新聞特集紙面

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