誘導標識の設置進まず
総務省が和歌山県などで調査
避難所運営にも課題

 指定緊急避難場所や指定避難所への誘導表示の設置が進んでいないことが、総務省近畿管区行政評価局の実態調査で分かった。大地震発生直後に安全を確保するための「指定緊急避難場所」への案内誘導表示を行っているのは調査対象となった58市町のうち20市町にとどまっている。内閣府が昨年制定した「緊急避難場所の指定に関する手引き」では「円滑な誘導、存在の周知・啓発のため、避難経路も含め標識を設置することが有効」とされている。

 昨年8月から12月にかけて、災害時に危険を回避するための避難所等の指定・運営について、和歌山県、大阪府、兵庫県の58市町を対象に書面調査し、うち12市では実地調査を行った。災害発生時に住民の安全および生活環境の確保を図る観点から現状と課題を明らかにするとともに、課題克服に向けた方策などを収集、提供するのが目的。対象は3府県114市町村のうち、人口の多い順に選んでおり、各府県ごとに約半数の市町が選ばれている。
 東日本大震災では切迫した災害から逃れる「避難場所」と、避難生活をおくる「避難所」が明確に区別されなかったことが被害拡大の一因と指摘されている。このため、平成25年の災害対策基本法の改正で、市町村長による指定制度が創設され、指定が義務付けらた。
 調査によると53市町(91%)が緊急避難場所と避難所を指定しているが、双方または一方が未指定の市町も5あった。福祉避難所は指定避難所のある54市町のうち46市町(85%)が指定している。
 周知状況については、全58市町でホームページやハザードマップで避難所等を住民に知らせている。しかし、避難経路などを示した標識の設置状況は、案内誘導表示が指定緊急避難場所で20市町(37%)、指定避難所で19市町(35%)と低い状態となっている。現地表示は、指定緊急避難場所で40市町(74%)、指定避難所で43市町(80%)が行っている。
 指定避難所等の円滑な運営に向けた取り組み状況は58市町の全てが避難所共通の汎用運営マニュアルを作成しているが、避難所単位の運営マニュアルの作成は19市町(33%)にとどまった。また、車中泊・テント泊などの避難者への対応方針は、28市町(48%)が策定していないなど課題が残っている。
 避難所などにおける通信手段の確保については、47市町(81%)が災害時優先電話である特設公衆電話を指定避難所の全てまたは一部に設置していて、未設置は11市町。一方、公衆無線LANでインターネットに接続できるようにしているのは16市町(28%)だけだった。同局はそれぞれの対策を推進するために、3府県全ての市町村に参考事例を伝達した。

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