「5分前行動」でリスク軽減

 和歌山、三重両県で1日から、年末の交通安全運動が始まった。春や秋の行楽期と並び、社会全体が慌ただしくなる師走は交通事故が多発する時期で、警察は関係機関と連携して交通事故防止を呼び掛けていく。
 なぜ、年末は交通事故が増加するのか。交通量がほかの時期に比べて多いことが真っ先に挙げられるが、ドライバー、歩行者ともに気持ちのゆとりが少し欠けてしまうこともあるだろう。公私ともに多忙な状況下、いつもより少しスピードを出したり、確認が不十分になってしまったり。一人一人、このわずかの気持ちの“ズレ”が重大事故につながってしまう。
 また、社会問題にもなっている「あおり運転」。車間距離を極端に詰めて走行したり、幅寄せして威嚇したりと非常に危険で迷惑な行為だが、ゆとりの欠如が起因となる場合もある。事故だけでなくこういったトラブルの発生も懸念される。
 事故を起こさない、事故に遭わないためにどのようにすればいいのか。交通ルールを守り安全運転していても100%回避できるわけではないが、そのリスクを少しでも軽減させる努力はしたい。
 「5分前行動」という言葉がある。物事の予定時刻の5分前には、それを行う場所に赴き、定時に物事を始められるように準備を整えておくことを意味するが、交通安全啓発の上でも使える言葉だ。時間がギリギリだから、歩行者が横断歩道で待っていても止まってあげることができなかったり、合流しようとする車を見つけると前車との車間を詰めたりしてしまう。「出勤時刻をいつもより5分早めよう」。わずか5分のことでゆとりが生まれる。
 併せてマナーについても一考を。赤信号で止まるのを避けるため、交差点角にあるコンビニエンスストアの敷地をショートカットする車とあわや衝突という場面に遭遇したことがある。また、量販店の駐車場で“逆走”してきた車に先に駐車されたことも。些細なことだが、トラブルの原因になりかねない。
 交通事故は、加害者も被害者もその家族も含めて日常生活を一変させてしまう悲惨なもの。幸せな年末年始を送るため、一人でも多くの人が「5分前行動」を心掛けることで、事故のリスクは下がるだろう。
(平成29年12月3日付 紀南新聞掲載)

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