「横のつながり 重要」
防災とまち、地域づくり

photo[8] 「ワダイの防災カフェ」が11日、那智勝浦町市野々にある和歌山県土砂災害啓発センターであった。和歌山大学災害科学教育研究センターの中筋章夫さんが、災害に強いコミュニティ作りや地域一丸となって避難訓練に取り組むことの重要性などについて講話。約20人が話に耳を傾け、防災への思いを新たにした。
 中筋さんは、和歌山市の中山間地にある西山東(にしさんどう)地区(約2000世帯、人口約5000人)で防災会アドバイザーも努めている。4年前に発足した同地区の新防災会を紹介し、中筋さんは、若者、女性を積極的に要職に登用することで、さまざまな目線から幅広く問題を洗い出して問題解決に取り組んでいると説明。防災面だけでなく、▽夏祭りの復活▽老人会発足▽里山づくり組織の誕生−などコミュニティづくりの面でも大きな成果があることも示した。
 「災害に強いコミュニティ作りには、膨大な時間が必要」と一言。行政に頼っているばかりではなく、地域の住民同士が普段から交流し、有事の際は声を掛け合うなど、普段からの交流によって生み出される「横のつながり」が求められると語った。
 沿岸部は津波、山間部は土砂崩れなど、地震によって懸念される被害は、住む土地によってさまざま。中筋さんは「日本に安全な場所というものはない」と語り、先月発生した台風21号での同地区の被害状況や災害ボランティア活動の様子を紹介した。避難所での生活やライフライン復旧までの長い間、不便な生活を余儀なくされることから、中筋さんは、円滑な避難所生活を整備していくためには過去の災害の教訓が生かすことが重要と述べた。

地域一丸で訓練

 熊本地震の際、熊本県で円滑に運営できた「西原村河原小学校避難所」にふれた。住民が一丸となって定期的に防災訓練を行うなどしていたため、3か月の避難所生活でひとつもクレームが出なかったという。続けて、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた、宮城県釜石市本郷地区に建てられた石碑に刻まれている「100回逃げて空振りばかりでも、101回目も逃げて」という言葉を紹介。「何度空振りだったとしても、逃げることをやめないのが大事」と呼び掛け、近所の人からの声掛け、日頃から具体的な避難のシミュレーションをした上で避難訓練を行うことが防災につながることを強く訴えた。
 訓練する上で大切なこととして、中筋さんは▽楽しみながらやる▽失敗を恐れない▽実際に役立つ内容で▽マンネリ化させない−を提示。「共に助け合って汗を流したことは忘れない。災害に強い地域にしたければ、声を掛け合い、助け合ってコミュニティを強くすること」と呼び掛けた。
 講話後、新しい取り組みを行うことに反発する人もいるという参加者からの悩みに、中筋さんは「代替案はないかなど徹底的に議論すべき」と見解を示した。このほか、災害を防ぐことと被害を減らすことは異なるとし、「“防災”と“減災”は分けて考えるべきではないか」「自主防災組織だけで手に負えないような場合、行政とどう連携して取り組んでいけばいいのか」などの意見もあった。
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