自治体の観光PR 新手が必要

 日本全国で観光誘客の取り組みが盛んだ。特に地方では、地域経済の規模が縮小する中で、いわゆる「外貨を稼ぐ」ために誘致に力を入れている。団体旅行から個人旅行へと形態が変わり、また、海外にも安価で旅行できるようになっている。これらのことから旅行客を呼び込む地域間競争が激しさを増している。
 観光旅行の行き先に選んでもらうには、まず、地域を知ってもらうことが重要だが、情報通信技術(IT)の進歩でPRの手段も多様化している。一番分かりやすい事例はホームページだろう。自分が旅行に行くとして、どこへ行くかが決まっていれば地名を、そうでなければ「神社」「お城」「温泉」といったキーワードで検索する。これまで、雑誌が担っていた役割をホームページが果たしている。魅力ある内容にすることが「読者」へのアピールにつながる。
 ブログやネット上で人がつながり合うSNSも、宣伝の手段として利用されている。いわゆる「口コミ」がITを通じて進化したもの。多くの人に記事が読まれている組織や個人に依頼して、取材や体験の様子を紹介してもらう取り組みが、和歌山県や三重県で行われている。一般人でもネットを通じた影響力は大きく、和歌山県は、特に外国人観光客向けに、インターネット上の「フォトコンテスト」を実施している。外国メディアと連携し、ホームページなどに紹介コーナーを期間限定で掲載してもらう、というこれまでになかった手法でのPRも図る。
 ネットに頼らない手法としては、人口の多い地域でのキャンペーン、雑誌やテレビなどの従来メディアでの掲載・放送がある。熊野市は中京競馬場で「熊野特別」を実施し、合わせて物産展も実施しているのは特色ある事例と言えよう。
 一度来たことがある人に再度来てもらう、あるいは、地名を知らない人に知ってもらう。関心のある人の興味をさらに引き立てる。地域間競争の激化とPR手段の多様化の中で、より効果的な観光宣伝が求められている。
 他地域にない魅力をどのように伝えるか。これまでと同様の手法では、従来と同じ層にしか情報が届かない。観光需要を掘り起こすためには、新手法でアピールすることが求められる。
(平成29年11月12日付 紀南新聞掲載)

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