豊富な資源生かす
観光産業 動線形成を

 平成16年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録され国内外から注目され、外国人観光客も増加する新宮市。平成28年度は宿泊客数合計が12万9244人でうち外国人宿泊客数が4815人。日帰り客数は116万415人。合計128万9659人で平成24年と比較すると25万5804人増加している。
 市の観光の方向性は、歴史・文化・伝統を今に伝える市内のまちを散策するまちなか観光の推進や世界で唯一の川の参詣道である世界遺産・熊野川での川舟下りの充実、熊野古道や海・山・川などの豊かな自然環境と文化性を生かした体験型観光や滞在型観光を目指している。
 観光スポットは豊富だが、大型バスなどが滞在できる駐車場が熊野速玉大社と徐福公園だけであるため、一局集中化してしまい、細かな名所に観光客が行きにくいことが以前からの課題とされてきた。駐車場の確保も現状では難しく、建設が予定される文化複合施設への期待が高まっている。同施設の駐車場を利用することでその他の名所へもアクセスしやすく、図書館棟などは市の歴史や文化を知るためにも重要な役割を果たすことも考えられる。
 また、阿須賀神社が世界遺産に追加登録されたことから、速玉大社、神倉神社、阿須賀神社の三社巡りも市の観光事業にとって新たなカードとなった。しかし、それらを含む全ての良点を生かし、名所から名所への動線を作り、その価値の理解を広めていくことが必要だ。

■スポーツを生かす
 熊野市では野球やソフトボールなどのスポーツ合宿や大会の誘致を広く行うことで多くの選手・関係者が訪れ、市の活性化に一役買っている。那智勝浦町でも今後の観光振興につなげるため、レスリングや大学卓球部の合宿誘致を積極的に行い、事業を継続している。
 新宮市でも誘致に取り組んでおり、大学の野球やバスケットボール、サッカー部など昨年1年間で20団体が新宮を訪れている。半面、前述の熊野市や那智勝浦町と同様にその後の観光に結びつけることができるかは想像しがたい。
 しかし、市では国内屈指の自転車レース「ツール・ド・熊野」が開催されており、選手含め、関係者やファンなど国内・外からも多くの人々がこの地を訪れている。また、天空ハーフマラソンなどの競技も県内外から多数、参加者が集まるため、これらの既存のスポーツ競技による地域振興(スポーツツーリズム)に目を向け、観光客誘致に意識を高めることも今後の施策として検討する必要はあるはず。
 今後は市や観光協会だけなく、まずは市民に既存の競技の魅力や深い周知を行うことで自身のまちで実施されるスポーツの良さを理解してもらうことも重要である。現在、SNSやインターネットによる発信力は大きく、幅広いPRとなるため、市と市民が一体となって、国内外に向け、情報を発信することも将来の観光産業発展に寄与するのではないだろうか。

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