11万トン級受け入れへ
新宮港改良で重大決定
経済効果 大幅増か

photo クルーズ客船の誘致が好調な新宮港で、11万トン級の船舶に対応できる改良工事が行われることが2日、分かった。平成30年12月末までの完成を目指すという。現在の新宮港の対応可能船舶は5万トン級のため、完成すれば倍以上の乗客定数を持つ船舶が入港可能となり、大きな経済効果が期待できる。
 新宮市が主催し、同市井の沢のユーアイホテルで開いた、「新宮港クルーズ客船受入にかかる広域的取組検討会議」で明らかになった。港湾管理者である県の県土整備部港湾空港局によると、最大で5万トン級船舶の係留が可能な佐野側の岸壁に拡幅や補強を加えた上で、岸壁から離れた海上に係船杭を設置。全長の長い11万トン級の船舶の係留を可能とする。水深は掘らなくても現状で足りているという。
 新宮市の企業立地推進課によると、新宮港に現在入港する最大の船舶である飛鳥Ⅱの乗客定員は872人となっている一方、11万トン級の船舶であるダイアモンドプリンセスの乗客定員は2670人。飛鳥Ⅱの一寄港あたりの経済効果は概算で約1000万円としているため、11万トン級の誘致に成功すれば大幅増が見込めることになる。
 会議は新宮市、田辺市、那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町、北山村、紀宝町、御浜町、熊野市、和歌山県、三重県の10市町村2県が集まった。新宮市がクルーズ客船の受け入れなどを通じて、地域振興や経済活性化を図る組織の設立を提案。▽名称を新宮港クルーズ振興広域協議会とする▽会員相互の意見交換や情報共有、クルーズ振興にかかる共同調査研究を行う―などを提示し、全会一致の可決を得た。
 西田健・紀宝町長は和歌山県の担当者に対し、「静穏度(*)は今の状況のままで、11万トン級が停船できるのか」と質問。浅見尚史・県土整備部港湾空港局長は「(新宮港の)防波堤の整備がまだ残っている。岸壁の改良工事と同時並行で(静穏度の)対策を講じていく」と話した。
 田岡実千年・新宮市長は主催者として「新宮港が熊野の海の玄関口として、にぎわいの拠点となり、各自治体や熊野地域全体における産業に寄与できれば」とあいさつ。会議後は「観光客に満足してもらうには、広域の取り組みが必要。熊野地域全体の活性化ができれば」とまとめた。
 なお、県は6月に和歌山県クルーズ振興協議会を設立。和歌山下津港や日高港でも、大型船舶入港に向けた改良工事を施すなど、クルーズ客船誘致に力を入れている。

*静穏度=港湾内の年間における波高が穏やかな日の確率を数値化したもの

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