花火大会 継続に手立てを

 花火大会のシーズンである。この地域では、花火大会と盆供養は切り離せない関係にある。安全への配慮や資金確保など、イベント開催には近年、課題となってきた部分も多いが、長く続けていけるよう、今から何らかの手立てを考えておきたい。
 数年前、都市部で資金難による花火大会の中止が相次いでニュースになった。景気低迷や事業所数の減少のほか、行政が主体となっている花火大会では、福祉など他の施策との関係で経費確保が難しくなっている。これらの収入面のほかに、警備関係をはじめとした運営費用が増加しており、花火資金が圧迫されている。
 資金を集めや、ボランティアによって警備を行うことで経費削減を図るなど、各地で工夫が行われている。熊野大花火大会では、以前から「有料浜席」を設定している。事業者などに協賛を呼び掛けるほか、募金箱を置いて「浄財」を募る取り組みも広がる。また、全国的にはインターネットを通じて資金を募る「クラウドファンディング」を利用したり、実行委員会によるグッズ販売など、新たな手法が取り入れられるようになっている。「ふるさと納税」で出身者に協力を仰ぐのも一つの手段だろう。
 地域住民のほか、帰省してくる人たちも楽しみにしている催し。故郷の夏の思い出であり、帰省とは切り離せない要素になっている。花火のほか「柱松」などの伝統行事も含め、「残していくべき」取り組みと言える。そのためには、観覧する住民側の協力も必要だ。
 実行委員会などへの寄付はもちろんだが、金銭面以外でも過度に警備に人を割かなくていいように、会場でのマナーを守る。事前に示された立ち入り禁止区域には近づかない。花火大会終了後には帰りの人・車で混雑するが、譲り合って先を争わない。ごみはごみ箱に捨てるか、持ち帰る。見に行く人もイベントの担い手。これらのことに気を配るだけで、運営にゆとりをもたせることができる。
 紀南地方の花火大会は行政が関わっていることがほとんど。運営に大きな経費が掛かっていることの周知と協力の呼び掛けなど、地道に取り組むことで、花火大会がこれからも続けられるよう、雰囲気づくりをしていってもらいたい。

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